投資が世界を良くする?SDGs・ESG金融に注目

最近耳にする機会が増えた「SDGs」(持続可能な開発目標)。


企業が取り組むメリットとして、以前当コラム(『「SDGs」:企業が取り組む意義とは?』)で取り上げたように、企業の知名度やイメージの向上などさまざまであるが、なかでも「資金調達」に関する大きなメリットがある。


最近、SDGsに加えて、「SDGs・ESG金融」や「ESG投資」という言葉を聞くことが多くなったのではないだろうか。SDGs/ESG金融とは、いわゆる企業のSDGsへの貢献や、ESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス)への取り組みといった非財務情報を、金融機関や機関投資家が投融資の判断に取り入れることを指している。


特にESG投資に関しては、2018年の全世界における投資総額[1]が2016年から34%増の約30兆米ドルとなっており、市場規模が急成長している。その背景として、2008年のリーマン・ショックをきっかけに、目先の利益を追求する投資法に対する反省や批判が高まったと言われている。SDGsやESGに取り組むことは企業の安定的かつ長期的な成長をもたらし、そのような企業に投融資することで金融機関などは長期的にリターンを得ることになる。一方、社会や環境に悪影響を与えている企業に投融資すると、投融資をする側のブランドイメージが損なわれるという恐れもある。


「SDGs・ESG金融」にはどのようなものがあるのだろうか?


例として、ESG重視の企業の株式への投資をはじめ、そういった企業の株式に投資する投資信託商品、いわゆる「ESG投資信託」があげられる。また、SDGs・ESGに取り組む企業に対し金利を優遇して融資を行う「利子優遇融資制度」や、企業などが環境改善を目的とする事業に要する資金を調達するための債券である「グリーンボンド」の発行や引受なども国内外の金融機関で実施されている。


さらに「高齢者雇用」や「ダイバーシティの推進」に取り組んでいる企業を対象とした融資制度を実施している銀行もみられている。このように、SDGsやESGは環境問題が主体と思われがちだが、社会問題に関連する取り組みの動きも加速しているのである。


2021年3月、日本企業を含むグローバル企業の取引先がウイグル族の強制労働に関与しているという指摘を受け、50以上の機関投資家はそれら企業のうち欧米企業に対して、サプライチェーンの詳細情報の提供を求め、人権侵害を引き起こす状況を回避するよう訴えているといったニュースを目にして衝撃が走った。


世界の人権問題はいまだ解決に至っていないことも、サプライチェーンのグローバル化によって企業はそういった問題に関与してしまう可能性があり、監査は必要不可欠であると深く考えるようになった。また、機関投資家が動いていることを考えると、「投資」の概念は確かに変わってきたと実感した。


このような状況下、欧米各国は人権侵害に関わった自治区の当局者らに対し制裁を発動した。こういった国際的な対応が問題の解決につながることに期待するとともに、「投資」の新たな役割にも望みが持てる。


投資は、環境や人権を守り、平和で持続可能な世界を実現するひとつのツールとなりつつある。

この記事は帝国データバンク様の記事を転載したものです。
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この記事を書いた人

帝国データバンク

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株式会社帝国データバンク(ていこくデータバンク、英: Teikoku Databank, Ltd.、略称: TDB)は、企業を専門対象とする日本国内最大手の信用調査会社である。1900年3月3日に後藤武夫が帝国興信社として創業、その後法人化し商号を帝国興信所とした。1981年に社名を現在の帝国データバンクに変更。それと同時に従来請け負ってきた結婚調査・雇用調査等の個人調査を廃し、業務を企業信用調査に特化した。本社は東京都港区。