ゆめプロは休耕地を畑に再生し、そこで作る農薬・化学肥料を使わない作物を地域の給食へ届ける活動をしています。
「地産地消自然給食の実現」と「地域単位の食糧自給を上げる」ことを掲げた地域密着型の活動です。
2021年よりスタートし、3メートル級の笹薮をママたちが主役となり開墾。
「子どもたちに食べさせたいものだけで作る給食」を作ることを目標に、作物を生産しています。
SDGsの目標の半数を網羅する活動「ゆめプロ」
ーゆめプロの活動は、SDGsとどのような関連がありますか?
ゆめプロは、「持続可能な世界を実現することを目指す」SDGsのゴールに関連する内容をの多くに繋がる活動です。
以下、SDGsに関連する活動内容をいくつか挙げます。
・休耕地を活用する(SDGs目標11・15)
・農薬・化学肥料を使わない作物を育てる(SDGs目標12・15)
・地産地消を推進する(SDGs目標11・12・13)
・地域単位の食糧自給を上げる(SDGs目標11・12・13)
・自然栽培の野菜を子どもたちに届ける(SDGs目標1・2・3)
・B品の野菜を加工販売する(SDGs目標12・13・15)
・困窮世帯の子どもの食糧支援(SDGs目標1・2)
・障がい者の自立支援(SDGs目標8・10・16・17)
娘の給食をみて「給食を変える」決意
ー給食を変えようとしたきっかけは何だったのですか?
祖母の認知症と入院がきっかけで「食の大切さ」や「食が体調に多大なる影響を与えること」を実感しました。
その時、長女が生まれたばかり。
「この子には、本当に良いものを食べて育ってほしい」という想いが溢れました。
自分の子どもに食べて欲しいものをまずは自分で作る為、当時住んでいた柏原市で農業を始めました。
1歳になった長女は保育園へ通いだし、そこでみた初めての一歳児の給食に衝撃を受けました。
袋詰めのロールパンが給食に出ており、原材料表示を見ると沢山の添加物とマーガリンやショートニングが入っていることに驚きました。
使用している調味料や加工品の原材料も確認すると、醤油ではなく「醤油風調味料」や「発色剤が入っている加工肉」が使われていたのです。
この事実を知った時、「給食を変える!」という決意をしました。
そして自分たちで地域の子どもたちの給食を作ろう!ということで立ち上がった、大阪ゆめプロです。
「みんなが集まる居場所」となる畑
ーゆめプロの活動を詳しく教えてください。
大阪八尾・柏原に畑が3箇所あり、自然農法で野菜を生産しています。
給食の野菜を作るのみではなく、子どもたちの自然の開放的な遊び場や不登校児の受け入れ・地域の方々の居場所となるよう日々努力しています!
赤ちゃん〜シニアまで気軽に農業に触れられるよう、毎月イベントも行っております。
・「農業講座」:ゆめプロ農家の経験と知識による、自然農法の講座
・「食育農園」:畑で実際に土に触れながら農作業をし、食について五感で楽しむ場
・「はたけですごそう」:不登校の児童が畑に来て、自然の中で遊んだり農作業したりできる場
市や企業の力も借りながら活動
ー発足してからどのような活動をしてらっしゃいますか?
日々の畑作業はもちろんのこと、下記のような一人でも多くの住民や企業を巻き込む活動もしております。
・2021年11月 ゆめプロ発足・柏原の畑で活動をスタート
・2022年12~1月 柏原の保育園へ納入(じゃがいも・玉ねぎ)
・2022年7月 泉大津市南出市長と地域を活かす給食の主催
・2022年12月 柏原市冨宅市長と地域を活かす給食の主催
・2023年夏 柏原の保育園へ納入(じゃがいも・玉ねぎ)
・2023年秋 八尾市にも畑を拡大
・2023年11月NTT西日本と「未来の給食」イベント共催
・2024年1月 ゆめプロ企業・事業会員様10組へ
課題盛りだくさんでも絶対にやり遂げたい
ー活動を続けていく上での課題はありますか?
課題は沢山あります。
給食に野菜を卸す時の取引額は、じゃがいも100円/kg以下が相場。やればやるほど赤字になる金額です。
思いだけで始まった活動で持ち出し体質からのスタートなので、運営していくための資金調達や事業として回していく形にする為に現在急ピッチで土台を整えています。
さらに理想の給食を作るには、農地も人手ももっと必要。
さまざまな課題が立ちはだかっていますが、私たちは絶対にやり遂げたいと思っています。
「給食を変えたい!」というママたちだけの想いだけでなく、地域の企業や地域住民の方との共有価値を大切に、地域で一丸となり「オール市民参加型の給食革命」として、地域の休耕地を活用して子どもたちの意欲と元気を精生産する!そしてその仕組を全国に横展開します。
ゆめプロを持続可能な活動にしていく
ー課題を解決するために、どのような仕組みを作っていますか。
・ほっとまるちゃん
ゆめプロ発足2年間、試行錯誤を繰り返したどり着いた仕組みが6次産業化です。
食品ブランド「ほっとまるちゃん」を立ち上げ、「自分の子どもに食べてほしい食材」のみを使った「まめぱん」や野菜パウダー「ベジコ」を販売しています。
▶︎詳しくはほっとまるちゃん公式HPをご覧ください。
・ゆめプロ会員制度
企業さんや個人さんにゆめプロ会員として活動を応援していただく仕組みを作りました。
【ゆめプロ会員でできること】
・野菜栽培講座に参加できる!(遠方の方でのオンライン参加・アーカイブ視聴可能)
・栽培でわからないことは、ゆめプロの農業アドバイザーに聞ける!
・生産者「ゆめプロ&◯◯様」として一緒に給食へ届けることができる!
・地域を良くしていこう!と活動していく仲間ができる!
など…他にも盛りだくさんです!
【ゆめプロ会員になるメリット】
・ゆめプロと連携することでSDGsの活動へ参加・取り入れることができる。
・栽培に関する知識や始め方が分かり、今後自身で作物を育てることができる。
・地域とともに、地域をよくする活動に参加・応援することができる。
【こんな方々が会員になっていただいています】
・従業員の健康を大切にしたい!ゆめプロの野菜やイベントを活用して、健康促進していきたい。
・これから農業をしていきたい!始め方が分からないからアドバイスが欲しい。
・今後、自身で新しい事業を始める!一緒に地域を盛り上げていく仲間が欲しい。
・代表まるちゃんの想いに共感した!ゆめプロで一緒に何かしていきたい。
方々など…
▶︎詳しくはゆめプロ公式HPをご覧ください
「地域が活きる!ゆめ給食」をつくる!
ー今後の展望を教えてください。
ゆめプロのオール市民参加型の給食革命の成功事例を大阪中河内で作り、その事業モデルを全国展開することが私たちの目標です。
子どもに食べてほしい理想の給食を、「地域が活きる!ゆめ給食」と名付け、今後実現していきます。
・なたね油:菜の花から作る!大学と共同プロジェクト
・米粉:地元企業と作るもの
・じゃがいも・玉ねぎ・人参・サラダ用の野菜:ゆめプロ畑&連携農家
・お茶:関西の茶葉
ココロとカラダが元気になる!食材であるのはもちろん、地産地消の食材を使用することで環境への配慮、人の顔が見える給食(食育)にも繋がる給食です。
給食を届ける際、子どもたちへ「どのような人たちがどのような想いで作ったのか」背景を伝えることで、さらに給食を身近に感じられるようにします。
私たちの活動を応援したい!一緒に活動したい!と思っていただいた方、ぜひ繋がってください!
ホームページ
ゆめプロ代表:岡本霞(まるちゃん)
ゆめプロ・ほっとまるちゃん代表
1989年大阪生まれ
セントラルミズーリ州立大学 卒業
30歳まで東京大田区の製造業で技術営業職
第一子妊娠中に起きた度重なるトラブルを経て起業することを決意
2020年春 コロナが始まると同時に大阪にUターン
2021年 ゆめプロ始動。耕作放棄地を自ら切り開き、畑への再生作業を行う。
2022年~ 育てた作物を地域給食に届ける。
2022年 ゆめプロ食品ブランド「ほっとまるちゃん」を立ち上げ、乳幼児向けのお米・野菜・お豆で出来たまめぱんの製造販売を福祉施設と連携してスタート
☆まるちゃんという愛称で地域の保育園などに食育講座を行っている。
ほっとまるちゃんの屋号と、まるちゃんという愛称は、
ほっと:ほっとする
まる:線がずっと繋がっている
ちゃん:ちゃん付けで呼ぶとやさしい気持ちになる
ことから名付けた。