ESREE Energy株式会社は、ユナイテッド株式会社、デジタルグリッド株式会社、ReGACY Innovation Group株式会社を引受先とする資金調達を実施した。
調達資金は、同社が開発を進める砂利蓄熱技術を中心とした独自の蓄熱システムの高度化に充てられ、産業熱の脱炭素化を加速させる。
背景:産業熱の脱炭素は未開拓領域
世界の最終エネルギー消費の約50%は熱エネルギーが占めるとされるが、特に産業部門における脱炭素化は遅れている。
製造業などで使用される蒸気や熱源は、依然として化石燃料依存が大きく、ここをいかに再生可能エネルギー由来へ転換するかが大きな課題となっている。
砂利蓄熱技術とは
ESREE Energyは、再生可能エネルギー由来の電力を熱に変換し、砂利に蓄える技術を開発している。
主な仕組みは以下の通り:
- 日中の太陽光発電余剰電力を熱へ変換
- 砂利に高温で蓄熱
- 必要な時間帯に産業用蒸気として供給
これにより、安価かつ安定的な脱炭素蒸気供給を目指す。
PTES・長期エネルギー貯蔵(LDES)への展開
同社はさらに、**Pumped Thermal Energy Storage(PTES)**の研究も推進。
- 高温ヒートポンプ
- ランキンサイクル
を組み合わせることで、効率的な熱利用と長期エネルギー貯蔵(LDES)の実現を目指す。
これは、再生可能エネルギーの主力電源化を支える技術として期待されている。
出資各社の期待
- ユナイテッド:カーボンニュートラル実現を牽引するスタートアップとして評価
- デジタルグリッド:再エネ主力化の新たな解決策として期待
- ReGACY Innovation Group:中低温域の産業熱脱炭素における技術的独自性を評価
産業構造転換を支える技術として、各社が高い期待を寄せている。
今後の展望
ESREE Energyは、
- 砂利蓄熱の小型ラボ機の製作
- 低圧蒸気ユーザーとの実証実験
- 地域事業者との連携強化
を進め、社会実装を視野に入れた開発を加速する方針。
産業熱の脱炭素は、カーボンニュートラル達成のカギを握る分野のひとつ。今回の資金調達は、その実現に向けた重要なステップとなる。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/79186/