富山県氷見市と同市長坂地区、株式会社ヤマタネ、株式会社ARTH、株式会社三井住友銀行の5者は2026年2月3日、「棚田を中心とした持続可能な地域づくりに関する連携協定」を締結した。長坂地区の棚田保全と地域活性化を目的に、自然エネルギーのみで電気と水を自給するオフグリッドモジュール「WEAZER」を活用した宿泊施設の導入などに取り組む。
長坂地区の棚田は、海越しに立山連峰を望む景観を有し、農林水産省の「つなぐ棚田遺産」にも認定されている。一方で、担い手不足や高齢化により維持が課題となっている。今回の協定では、①棚田の保全と高付加価値化、②関係人口の創出、③地域資産の次世代への継承を柱に、持続可能な地域モデルの構築を目指す。
中核となる取り組みが、ARTHが開発したオフグリッドモジュール「WEAZER」を活用した宿泊施設の整備だ。太陽光や雨水など自然エネルギーのみで電力と水をまかなう完全自給型で、既存インフラに依存しない点が特徴。2024年の能登半島地震を踏まえ、災害時にも機能する新たなライフラインモデルとしても位置づけられている。
WEAZERは排水を含め周辺環境への負荷が少なく、棚田景観との共生が可能とされる。宿泊施設を拠点に、農業体験や地域の歴史・文化に触れるプログラムを提供することで、都市部からの来訪者を呼び込み、関係人口の創出につなげる。
各者の役割分担も明確だ。氷見市は地域事業者との連携支援を、長坂地区は棚田や文化資産の保全と受け入れを担う。ヤマタネは宿泊施設のコーディネートや棚田の高付加価値化を推進し、ARTHはWEAZERを活用した施設の建設・運営を担当。三井住友銀行は事業化支援や官民連携の後押しを行う。
オフグリッド技術を活用した棚田保全と地域再生の取り組みは、能登地域の創造的復興モデルとして、全国への展開も視野に入れる。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/78007/