株式会社このほしは、企業が保有する森林を経営資源として再定義し、活用につなげるための「社有林の経営資源化検討プログラム」の提供を開始した。管理コストや活用方法の不透明さから十分に活かされてこなかった社有林を、企業の中長期的な価値創造やリスクマネジメントに結び付けることを目的とする。
日本には約2,500万ヘクタールの森林があり、そのうち約500〜600万ヘクタールを企業や団体が所有しているとされる。一方で、多くの社有林は本業との接点が見いだせず、「保有しているだけの資産」として扱われてきたのが実情だ。近年、気候変動や生物多様性の損失を背景に、自然資本をどのように把握し、企業価値向上につなげるかが重要な経営課題となっている。
同プログラムでは、社有林の現状把握から目指す姿の整理、活用シナリオの検討、実行フェーズへの導線設計までを段階的に支援する。自然資本としての特性や立地条件、制約を整理したうえで、経営や人材、地域との関係性を踏まえた活用の方向性を描く点が特徴だ。
同社は自らを「リジェネラティブ・フォレスト・デベロッパー」と位置づけ、森林を一過性に開発するのではなく、人の関与を前提に継続的に手入れされ、価値が更新されていく仕組みづくりを重視している。これまで、森の宿泊体験サービスを通じて、森林に人が関わることで価値が循環的に高まるモデルを実践してきた。
社有林の経営資源化検討プログラムは、自然資本開示や気候変動リスクへの対応を見据え、企業が森林との関係性を再構築するための第一歩となる。森林を「負担」ではなく「戦略的資産」として位置づけ直す動きが、今後広がることが期待される。