東芝・VI社・協和海運、バヌアツで電力供給へ 新会社「Radiant Technologies」を設立

株式会社東芝、Vanguard Industries株式会社(VI社)、協和海運株式会社の3社は、大洋州の小島嶼開発途上国における未電化地域へ電力を届けることを目的に、新会社「Radiant Technologies株式会社(RT社)」を共同で設立した。RT社はバヌアツ共和国で太陽光発電を活用したエネルギーシェアリングサービスを提供し、地域住民へ充電式LEDランタンやバッテリーの貸し出しを開始する。

■事業背景

多くの小島嶼開発途上国では、大規模な電力インフラの整備が難しく、未電化地域が依然として存在する。3社は、再生可能エネルギーを中心とした分散型電力サービスを提供することで、地域の生活環境改善と持続可能な社会インフラ構築を目指す。

■RT社のサービス概要

RT社が提供するサービスは、東芝がバヌアツ共和国で推進してきた「Delighting Everyone Project(DEP)」を基盤とする。
DEPでは、未電化地域の商店に太陽光発電システムを設置し、そこで充電式LEDランタンやバッテリーを住民に貸し出す仕組みを整備。スマートフォン決済アプリを活用し、住民が手軽に電力へアクセスできる環境を実現している。

このモデルは、大規模インフラ投資を必要としない「小規模・分散型」の仕組みであり、迅速な地域展開が可能な点が特徴だ。RT社はこの取り組みを発展させ、サービスの拡大を図る。

■期待される社会的インパクト

RT社は、再生可能エネルギーによる持続可能な電力供給を通じ、

  • 住民の生活の質向上
  • 地域経済の生産性向上
  • 各国電化計画(例:バヌアツ「国家エネルギーロードマップ」)の推進支援

といった社会的価値の創出を目指す。

■参画企業の役割

  • 東芝:エネルギーマネジメント技術、IoT、デジタルサービスで事業を支援
  • VI社:スタートアップ協業などオープンイノベーション面で事業立ち上げを主導
  • 協和海運:大洋州地域での物流と現地ネットワークを活かし事業展開を支援

■各社代表のコメント(要約)

  • 東芝・島田太郎 CEO
    「『人と、地球の、明日のために。』という理念に沿った重要な取り組み」
  • VI社・山中聖彦社長
    「大企業とスタートアップの連携で社会課題解決を推進」
  • 協和海運・髙松裕満社長
    「大洋州地域への新たな貢献の形になる」

■今後の展望

東芝・VI社・協和海運の3社は、バヌアツ国内でのサービス拡大に加え、他の小島嶼開発途上国への展開も視野に入れている。RT社を通じ、誰もが利用できるインフラの構築と持続可能な社会の実現に貢献していく。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/75619/