東南アジア4か国で資源循環モデルの構築へ
株式会社komham(北海道札幌市、代表取締役:西山すの)とシークス株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:平岡和也)は、東京都が推進する「グローバルサウスGX実証補助金」に共同で採択された。両社は、微生物群「コムハム」と生ごみ高速分解機「スマートコンポスト®」を活用し、東南アジア4か国(フィリピン、インドネシア、タイ、シンガポール)で資源循環モデルの確立を目指す。
2026年にマスタープランを策定し、2027年から現地での実証(PoC)を開始。2028年以降は東南アジア全域および中東への事業拡大を見据えている。
■事業の背景:深刻化する廃棄物処理と温室効果ガス問題
対象国では、焼却禁止(フィリピン)や埋立地逼迫(インドネシア)など、廃棄物処理インフラの不足が深刻化している。これに伴うメタンガス排出は温室効果ガスの増加要因となり、早急な対策が求められている。
この課題解決に向け、komhamが開発した微生物群「コムハム」と、生ごみを最短1日で約98%分解する独立型処理機「スマートコンポスト®」が活用される。
■スマートコンポスト®の特長
- ソーラー駆動によりCO₂排出ゼロ運用が可能
- 微生物「コムハム」による高速分解(最短1日)
- IoT遠隔管理により、都市から離島まで安定稼働
東南アジアの気候・インフラ制約にも適した技術として高く評価されている。
■両社の役割分担
◆ komham
- 微生物「コムハム」の供給
- スマートコンポスト®の開発・改良
- IoTダッシュボードの提供
- 技術検証・モデル構築
◆ SIIX
- 現地法人による調査・導入支援
- 行政・企業との連携、顧客開拓
- 輸出入管理・在庫・物流体制の整備
- 運用サポート・保守
技術とグローバルネットワークを掛け合わせることで、スケール可能な資源循環モデルを形成する。
■今後のスケジュール
- 2026年:マスタープラン策定(市場調査・技術検証・展開モデル構築)
- 2027年:PoC開始(4台を現地設置し分解性能・運用性を検証)
- 2028年〜:事業化フェーズ(販売開始、Jクレジット検討、中東展開など)
■中東地域への展望
採択以前に、komhamはサウジアラビアで事業紹介・視察を実施。砂漠地域におけるバイオマス処理、ホテルや開発地域での廃棄物課題、再エネ活用などを調査した。今後は中東における導入可能性も検討し、技術適応性の評価を進める予定だ。
■関係者コメント
株式会社komham 代表取締役・西山すの氏
「国内で培った堆肥化技術と微生物研究の成果を、いよいよ海外で実装する段階に入りました。SIIX社のオペレーション力と現地ネットワークを組み合わせ、アジアの廃棄物課題の解決に貢献していきます。」
シークス株式会社 東京営業部アシスタントマネージャー・相川美咲氏
「当社のグローバル拠点と商社機能を活かし、komham社の革新的技術を世界に届けます。複数地域での社会課題解決に寄与してまいります。」
■まとめ
今回の共同採択は、東南アジア地域における廃棄物処理・温室効果ガス削減に向けた大きな一歩となる。両社の強みを掛け合わせた資源循環モデルは、持続可能な未来に向けた重要な解決策として期待される。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/75538/