Smolt、養殖サクラマスの100%メス生産体制でイクラ生産を本格化

株式会社Smoltは、2025年の秋鮭回帰数の大幅減少とイクラ価格の高騰を受け、養殖サクラマスにおける100%メス生産体制を導入し、イクラの本格生産を開始すると発表しました。これにより、国内イクラ市場の安定化と新たな生産拠点の創出を目指します。

秋鮭回帰数減少と価格高騰の現状

2025年の秋鮭回帰数は約1,141万匹と予測され、平成以降で最少となる見通しです。過去20年と比較すると、回帰数は5分の1にまで減少しており、北海道を中心とした主要産地では2024年の不漁により水揚げ量が過去10年で最低を記録しました。

一方、札幌市中央卸売市場での生筋子の卸売価格は、2010年の約2,058円から2025年9月には9,183円に上昇し、小売価格も前年同時期の約2倍となっています。観光地でのイクラ丼は1,000円以上値上がりしており、消費者への影響が深刻化しています。この背景には海水温上昇などの気候変動も影響しており、持続可能な代替生産手段の確立が急務となっています。

Smoltの取り組みと技術

Smoltは、養殖サクラマスの100%メス生産技術を確立し、イクラの効率的な量産体制を構築します。主な利点は以下の通りです。

  • 生産効率の向上:全ての個体からイクラを採取可能
  • 品質の均一化:雌のみの生産により品質管理が容易
  • 計画的な生産:需要に応じた安定供給が可能

また、同社は「サクラマス循環養殖による温暖化対応種の開発とイクラの持続的生産」により、2021年度「STI for SDGs」アワードで科学技術振興機構理事長賞を受賞。これを基盤に、ブランド「つきみいくら」の生産を通じて魚卵生産技術とノウハウを蓄積してきました。

持続可能な未来に向けたビジョン

Smoltの取り組みは、天然資源に依存しない完全養殖を実現し、以下の効果をもたらします。

  • 持続可能性:天然秋鮭に依存しない生産
  • トレーサビリティ:生産履歴の完全管理
  • 安定品質:管理された環境での一貫生産
  • 価格安定性:天然秋鮭の回帰数に左右されない供給

全雌生産体制により、国内イクラ市場の安定化に貢献するとともに、養殖技術の普及を通じて全国各地での新たな生産拠点創出を目指します。

終わりに

Smoltの取り組みは、持続可能なイクラ生産の未来を切り開く重要なステップです。気候変動や天然資源の減少に対応する革新的技術は、他企業や業界にも良い影響を与えることが期待されます。今後の進展に注目が集まります。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/73961/