金沢大学らの「下水モニタリング・小松市モデル」がSTI for SDGsアワード優秀賞を受賞― 産官学・医療・住民が連携した“誰ひとり取り残さない感染症対策”が評価 ―

金沢大学は、小松市、株式会社クボタ、富山県立大学、情報・システム研究機構と共同で推進する「下水モニタリングの情報発信による市政の価値創造と感染症への意識変革」(以下、本取り組み)が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催の 2025年度「STI for SDGs」アワード優秀賞 を受賞したと発表した。

■下水モニタリングを基盤とした“小松市モデル”

本取り組みは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機に、産官学が連携して2021年にスタートした。小松市の下水を採取し、ウイルス量の分析・データ解析を行い、その結果を市民に分かりやすく発信することで、

  • 市民の感染症リスクへの気づきと行動変容
  • 科学データに基づく市政判断のサポート
  • 新たな産業・サービス創出の可能性

といった価値創造につなげている。

■受賞理由:持続可能な社会モデルとしての先進性

STI for SDGsアワードは、科学技術イノベーション(STI)を活用し、SDGsの達成に寄与する実践を表彰する制度である。

今回の優秀賞では、以下の点が高く評価された。

  • 産官学に加え、医療機関・住民まで巻き込んだ 持続可能な協働モデル を構築
  • 下水道を社会インフラとして再定義し、 都市・地域全体の付加価値向上を見据えたアプローチ
  • 感染症対策を「誰も取り残さない社会づくり」の一環として位置づけた点

アワードでは文部科学大臣賞1件、科学技術振興機構理事長賞1件、優秀賞4件、奨励賞4件、次世代賞2件が選出され、授賞式は2025年10月25日に開催された。

■全国展開を視野に拡大へ

本取り組みは今後、全国下水サーベイランス推進協議会および日本下水サーベイランス協会などと連携し、全国各地への水平展開を推進していく予定だ。
「誰ひとり取り残さない感染症対策」と、持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに強化していく。

引用元記事:https://www.kanazawa-u.ac.jp/miraichi/172953/