日本ポリプロ、究極の透明性を実現した新ポリプロピレン樹脂を開発 PET・PS代替の次世代素材として期待

日本ポリプロ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:飯島 要)は、従来のポリプロピレン(PP)では実現が難しかった“究極の透明性”を持つ新たなポリプロピレン樹脂を開発したと発表した。新素材はヘイズ値1.5%という極めて低い曇り度を実現し、軽量でありながら高い透明性を両立。独自のメタロセン触媒技術によって、分子構造の均一化と透明性の飛躍的向上を達成した。

この新PP樹脂は、ポリスチレン(PS)やポリエチレンテレフタレート(PET)など、従来透明性を重視する用途で広く使われてきた素材の代替として期待されている。特に食品包装材や医療分野など、衛生性と視認性を求められる領域での活用が見込まれる。

開発の背景には、近年高まる「軽量化」と「環境負荷低減」を両立する素材へのニーズがある。ポリプロピレンはもともと軽量で成形性に優れるが、透明性の課題から用途が限定されていた。日本ポリプロはこの課題解決に向け、触媒技術と材料設計を融合した新たな開発を推進し、PPの透明化という難題を克服した。

同社によると、新素材は輸送効率の向上やCO₂排出削減にも寄与し、環境面での利点も大きいという。

日本ポリプロは、11月12日から14日まで幕張メッセで開催される「サステナブルマテリアル展」で本素材のサンプル展示を実施予定。来場者は実際に新PPの高い透明性を確認できる見込みだ。

同社は今回の開発を「ポリプロピレンの可能性を再定義する取り組み」と位置づけており、持続可能な社会の実現に貢献する次世代素材として市場投入を進めていく方針だ。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/73409/