地球温暖化対策に向けた新たな提案

ブループラネット賞受賞者、メタン削減と自然再生を訴える

公益財団法人旭硝子財団は10月28日、2025年ブループラネット賞の受賞者発表記者会見を東京・パレスホテルで開催しました。地球環境問題に顕著な功績を挙げた研究者を称える同賞は今年で34回目を迎え、今回はスタンフォード大学のロバート・B・ジャクソン教授と、ハイランド・リワイルディング社CEOのジェレミー・レゲット博士が選ばれました。

メタンガス削減が温暖化抑制の鍵に

炭素循環研究の第一人者であるジャクソン教授は、地球温暖化の抑制には「メタンガス削減が極めて重要」と強調。
「気温上昇を1.5℃未満に抑えるためには、CO₂だけでなく短期的に影響の大きいメタン対策が必要です。環境を守ることは、私たち自身の健康と生活を守ることでもあります」と語り、科学的根拠に基づく行動の必要性を訴えました。

実践活動による自然再生を推進

一方、レゲット博士は金融と環境を結びつけた“カーボンバブル”の提唱者として知られます。今回の会見では「気候危機を深刻に受け止め、地域に根ざした実践活動を通じて自然を再生させることが不可欠」と述べ、日本の研究者・企業との協働強化にも意欲を示しました。

若い世代へのメッセージ

両氏は学生・研究者にも向けてメッセージを発信。ジャクソン教授は「悲観ではなく希望を持ち、今できる行動に注力してほしい」と呼びかけ、レゲット博士も「一人ひとりの小さな行動が社会にポジティブな変化をもたらす」と語りました。

今後の予定

表彰式は10月29日に東京會舘で開催され、記念講演会は10月30日に東京大学、11月1日に京都市国際交流会館で行われます。

受賞者プロフィール

ロバート・B・ジャクソン教授(米国)
スタンフォード大学地球システム科学科所属。陸域生態系の炭素循環研究の第一人者で、グローバルカーボンプロジェクト議長として温室効果ガスの監視と削減を主導。

ジェレミー・レゲット博士(英国)
ハイランド・リワイルディング社CEO。Carbon Tracker Initiative初代会長として「カーボンバブル」概念を提唱し、自然再生と地域経済の両立に取り組む。

ブループラネット賞について

1992年の地球サミットを契機に創設された国際賞。名称は、宇宙飛行士ガガーリンの言葉「地球は青かった」に由来し、地球が未来の世代にとっても“青い惑星”であり続けることを願って名付けられました。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/72949/