鳴海製陶株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:福井 俊成、以下「NARUMI」)は、卵の殻をアップサイクルして活用した新素材ボーンチャイナの量産化に成功しました。
この新素材は、原料のうち50%以上をサステナブル資源で構成しており、資源の有効活用と環境負荷の低減を両立する革新的な取り組みです。すでに量産体制が整っており、家庭用から高級ホテル・レストランまで、幅広い食シーンでの採用が見込まれています。
■ 卵殻を“資源”に変える ― 環境と品質を両立した新素材
NARUMIは、日々の食卓で大量に廃棄される卵の殻に着目し、アップサイクル素材として再利用する研究を進めてきました。卵殻には90%以上の炭酸カルシウムが含まれており、ボーンチャイナの主成分であるリン酸カルシウムと化学的に近い性質を持っています。
こうした共通性を活かし、従来の品質を維持しながらも環境に優しい新素材を実現。資源の再活用を通じて、持続可能な社会への貢献を目指します。
■ ボーンチャイナの魅力と技術革新
ボーンチャイナは、優れた透光性と乳白色の柔らかな輝き、そして高い耐久性を持つ磁器であり、家庭用のみならず国内外の高級ホテルや航空会社などでも使用されています。
NARUMIは長年培ってきた粉砕技術・焼成技術を応用し、新たに卵殻由来のカルシウムを採用。
新素材を用いた製品の製造はすでに始まっており、今後は主力ラインへと順次展開していく予定です。
■ サステナブル資源50%超 ― 環境負荷を大幅削減
従来のボーンチャイナでは、採掘によって得られる石灰石などの天然資源が主原料でしたが、新素材ではこれを卵殻で代替することで、採掘資源の使用量を大幅に削減。
廃棄物の再利用と採掘削減という二重の環境効果を実現しました。
また、NARUMIの既存生産体制を活かすことで、製造過程における追加的なエネルギー消費も最小限に抑えています。
■ 「くらしを笑顔にする」ブランドミッションの具現化
NARUMIは、「くらしの中に上質でしあわせな時間をつくり、みなさまを笑顔にする」というブランドミッションを掲げています。
今回の新素材ボーンチャイナは、その理念を具体化するものであり、美しさ・品質・環境配慮を兼ね備えた新しい価値の創出につながります。
食卓で使う一つひとつの器が、地球にも人にもやさしい選択となる――そんな未来の実現を目指しています。
■ 今後の展開
NARUMIは、今後もサステナブル素材の研究開発を継続し、日常の食卓からホテル・レストランなどのプロユース領域まで、環境に配慮したボーンチャイナ製品の展開を強化していく方針です。
卵殻という身近な素材が、新しい命を得て食器として生まれ変わることで、消費者一人ひとりが自然にサステナブルな未来づくりに参加できる環境を提供します。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/71643/