国連大学 マルワラ学長が熊本県を訪問

― 半導体産業とSDGsに関する意見交換、人材育成と産官学連携に期待 ―

2025年7月8日、国連大学(東京都渋谷区)のチリツィ・マルワラ学長が熊本県庁を訪問し、熊本県副知事の亀崎直隆氏と、同県における半導体関連産業の発展および持続可能な開発目標(SDGs)に関する意見交換を行いました。

マルワラ学長は、人工知能(AI)をはじめとする先端技術や政治経済に精通した国際的な研究者として知られ、今回の訪問は、熊本における急速な半導体産業集積と、それに伴う社会・環境への影響について、国際的な視点から見識を深める機会となりました。

会談では、マルワラ学長が「半導体産業は気候変動対策への貢献が期待される一方、環境負荷などの負の側面も抱える。両面からの分析が必要だ。持続可能な未来を目指す上で、産官学が果たすべき役割について熊本県の考えを伺いたい」と述べ、地域のビジョンに関心を寄せました。

これに対し亀崎副知事は、「グローバル競争が進む中で人材育成が大きな課題となっている。国際的な視点と深い学識からの助言に大いに期待している」と応じ、今後の連携強化に意欲を示しました。

マルワラ学長はこの後、熊本県菊陽町・合志市の工業団地「セミコンテクノパーク」を視察し、地域の産業インフラや研究機関の現場を確認。さらに、熊本大学(熊本市中央区)にて学生や研究者を対象とした講演も実施しました。

熊本県では、世界的な半導体需要の高まりを背景に、TSMCやソニーなどによる大規模投資が相次いでおり、地域経済や雇用構造の変化とともに、教育・環境・エネルギー政策など幅広い分野での対応が求められています。今回の訪問は、国際社会との対話を深め、持続可能な産業発展に向けた知見共有の第一歩となりました。

引用元記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/cde743b4eb2e8125ce91bebc94fce6e2e003e8b4