― プリプレグの最大25%をバイオマス化、脱炭素社会の実現に貢献 ―
2024年3月、三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和賀昌之)は、ゴルフシャフトをはじめとする高機能素材用途に向けたバイオマス由来のプリプレグ(炭素繊維複合材料)「BiOpreg #400シリーズ」を発売いたしました。これは、当社が掲げるサステナビリティ戦略「KAITEKI経営」の一環として進める、化学産業の「グリーン化」を体現する製品です。
■ゴルフシャフトの高性能と環境負荷低減の両立を実現
カーボンシャフトの基幹素材である「プリプレグ」は、炭素繊維とエポキシ樹脂から構成され、一般的にはその多くが石油由来の原料で作られています。三菱ケミカルでは、環境負荷の低減と資源循環の実現を目指し、エポキシ樹脂成分の最大25%を植物由来原料に置き換えることに成功。従来と同等の性能を保持しながら、持続可能性を備えた次世代素材「BiOpreg #400シリーズ」を開発いたしました。
この新素材は、既存の製造ラインや設計思想を変更することなく利用可能でありながら、製品ライフサイクル全体のCO₂排出量削減に寄与するものです。
■独自の技術と長年の知見を結集した革新的ソリューション
素材開発を担当した田口真仁は、「植物由来の樹脂は取り扱いが難しく、従来のプリプレグと同等の性能を実現するには大きな技術的ハードルがあった」と語ります。長年にわたって蓄積された配合ノウハウと量産技術により、性能と生産性を兼ね備えた製品の実用化が可能となりました。
プロダクトマネジメントを担当する鴋沢浩平は、今後の展望として「本素材は、ゴルフシャフトに限らず、自動車や航空機など、さまざまな分野での適用も見込んでいます。三菱ケミカルは今後も『グリーン化』を推進し、社会全体の脱炭素化に貢献していきます」と述べています。
■「KAITEKI」の実現に向けた取り組み
三菱ケミカルグループは、企業理念として「革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現」を掲げています。環境問題の解決とともに、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー(循環経済)を支える製品・技術の社会実装を進めています。
「BiOpreg #400シリーズ」は、ゴルフ用品という日常に近い製品分野におけるイノベーションを通じて、資源保全とCO₂排出削減を実現する新たな選択肢となるものです。
今後も三菱ケミカルは、社会課題の解決と事業成長を両立する「KAITEKI経営」のもと、環境・社会に配慮した製品・ソリューションの提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
引用元記事:https://news.jp/i/1315516415945818932?c=39546741839462401