【東京・2024年8月8日】
総合不動産サービス大手のJLL(本社:米国シカゴ)は、IBMと連携し、ESG戦略に関するデータ管理および報告を支援するソフトウェア「IBM Envizi ESG Suite」を、グローバルで提供開始した。JLLのサステナビリティ専門チームが中心となり、商業用不動産(CRE)向けの脱炭素化やレポート作成支援など、持続可能性に関するサービスを強化する。
「IBM Envizi」は、ESG関連データの収集・分析・開示までを一元的に管理する統合型プラットフォーム。JLLはこのツールを活用し、顧客企業の不動産ポートフォリオ全体の脱炭素戦略と、ESG報告の精度・効率の向上を図る。
JLLによれば、同社の調査レポート「The green tipping point」では、ESG基準に基づいた賃貸需要の高まりが今後1~2年で加速し、2025年には低炭素オフィススペースの市場供給が需要に対して約30%不足するとの見通しを示している。
一方、IBMの調査「The ESG Data Conundrum」によると、ESG指標をコア業務に取り入れている企業は依然少数で、不動産・施設管理部門ではわずか11%にとどまる。強固なESGデータ基盤の整備が、持続可能な成長には不可欠だとされる。
JLLのグローバルサステナビリティ責任者ガイ・グレンジャー氏は、「お客様のポートフォリオ全体で脱炭素化を進めるためには、信頼性の高いデータ管理と報告が不可欠。IBM Enviziの導入により、より強固なソリューションを提供していく」とコメント。
また、IBMのESGアセットマネジメント担当VPケンドラ・デキレル氏は、「企業がESGレポートを実現するうえで、裏付けとなるデータの重要性が一層高まっている。JLLとの協業により、高度なAI機能を備えたツールを提供していく」と述べた。
今後、JLLは世界中の数千社の顧客企業の施設・建物でIBM Enviziの導入を進めていく方針。ESG報告義務化が進むなか、不動産業界におけるサステナビリティ経営の本格展開が加速しそうだ。
引用元記事:https://www.jll.com/ja-jp/newsroom/jll-ibm-esg-reporting-and-data-management-solution-pr