英ヴァージン・グループは6月23日、2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」目標が、国際的なイニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)により正式に承認されたと発表した。これにより、同社の気候変動対策が科学的に正当と認められ、パリ協定の目標に沿った水準であることが裏付けられた。
SBTiは、企業のGHG削減目標が気候科学に基づき、地球温暖化の抑制に整合しているかを検証・認定する国際的枠組み。今回の承認により、ヴァージン・グループは長期および短期にわたる削減計画を本格化させる。
主な削減目標は以下の通り:
- 長期目標(2050年):Scope1、2、3のGHG排出量を2023年比で90%削減し、実質ゼロを達成する
- 短期目標(2030年):Scope1および2のGHG排出量を2023年比で50%削減
- グループ企業の目標:2029年までに、排出量ベースでグループ企業の68%がSBTi認定を取得
ヴァージン・グループは「人類へのコードレッド(非常事態警報)が国連から発せられる中、迅速かつ抜本的な排出削減が不可欠だ」とし、「科学的根拠に基づく、絶対的な排出量の削減にコミットする」と表明。
また、今回の承認を「重要なマイルストーン」と捉えつつ、「旅はまだ続いている」と強調。グループ企業やパートナーと連携しながら、革新的な取り組みを加速させていく方針を示した。