【ソフトバンク株式会社特集インタビュー】「SDGsのゴールは、これまで成し遂げたかったことの答え」。全社一丸でサステナビリティに取り組む、ソフトバンク株式会社

「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中」のコンセプトのもと、持続可能な社会の実現を目指し、「テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献」など6つのマテリアリティ(重要課題)を設定しているソフトバンク株式会社。2021年に「日経SDGs経営大賞」社会価値賞を受賞した。通信事業を基軸にデジタルプラットフォーマーへと事業領域の拡大を目指す一方で、SDGsへの取り組みもスピード感を持って進めている、同社のサステナビリティの取り組みを推進する部署である「SDGs推進室」のお二人にお話を伺った。

ゲストのご経歴

佐々井 良二 氏

[ 経歴 ]
ソフトバンク株式会社 SDGs推進室 兼 CSR本部 CSR戦略部 部長
大手金融機関及び広告代理店を経て2010年ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)に入社。宣伝・販促部門にて主にCM制作、メディアバイイング、プロモーション企画を担当した後、ロボット部門にて事業企画・マーケティング企画業務に従事。
2017年よりCSR部門に異動。2019年よりSDGs/ESGの全社戦略立案、各種情報開示、社内外施策立案を担当。

日下部 奈々 氏

[ 経歴 ]
ソフトバンク株式会社 SDGs推進室 兼 CSR本部 CSR戦略部 CSR戦略課 課長
2004年ソフトバンクBB株式会社(現ソフトバンク株式会社)入社。人事部門にて新卒・中途採用、グループ人材育成機関立ち上げ、次世代リーダー育成やキャリア開発、ダイバーシティ推進など、人・組織にむけた施策を担う。
現在は、SDGs推進室において、SDGs戦略策定や対外コミュニケーション、社内浸透施策などの取り組みを推進。BCS認定ビジネスコーチ、MBTI認定ユーザー。

ー「情報革命で人々を幸せに」という経営理念を掲げ、社会にインパクトを与える企業として、SDGsにどう貢献したいと考えていらっしゃいますか。

佐々井:
AIやIoTといった最先端テクノロジーを強みとしている会社として、SDGsの目標達成や社会課題の解決に、これまで同様、テクノロジーを活用して貢献していく、その先導役を担いたいと考えています。それにより我々自身も成長していくということが、弊社の一番の根幹にある考え方です。企業も社会の一員であり、投資家などステークホルダーの期待と要請に応えていくなかで、社会で必要とされる企業としてプレゼンスを発揮しながら、果たすべき役割を日々追求していきたいと考えています。

ー御社ではサステナビリティな事業推進にあたり、6つの重要課題である目標(=以下「マテリアリティ」)を設定されています。

日下部:
マテリアリティの選定方法については、二つの軸で考えています。横軸はソフトバンクにとっての企業活動、事業に対して重要なものにグラデーションをつけており、縦軸は世の中として何が重要か、各ステークホルダーから見たソフトバンクの事業においてSDGsの観点から何を重要視されているのか、この2軸から考えたときに、社内外から見てより重要度の高い項目を6つに厳選し、マテリアリティとして明示しています。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大防止など、求められる社会課題への対応プライオリティも日々変わってきているので、マテリアリティのプロットについて外部のステークホルダーを交えて定期的に検証しています。

ー全体の社員にサステナビリティに対する理念を浸透させるうえで工夫されていることはありますか。

佐々井:
トップのメッセージを定期的に発信しています。月次の朝礼で話題にしたり決算や株主総会でも言及しています。社員はEラーニングで勉強していますが、実効性を担保するために社員の目標管理制度と連動させ、目標にSDGsを紐づけてKPIを設定することを始めています。

日下部:
トップのメッセージとして、ソフトバンクのマテリアリティは「SDGs推進室」だけがやるものではなく社員一人ひとりが取り組んでいくものだということは前社長の宮内も、現社長の宮川も強く発信しています。その根底にあるのは、ソフトバンクの全ての事業活動は、6つのマテリアリティに基づいているということです。社員全員がSDGsに関わっているという考え方を前提として、サステナビリティに対してどう貢献できるのかを一人ひとりが考え、目標設定に落とし込み、チェックすることで意識しています。

佐々井:
実は社員の名刺も環境負荷のかからない素材を使って作っています。さらにマテリアリティごとにデザインを変えていて、それをお客様に渡したときに会話のきっかけになるようにしているため、お客様への啓発の効果も狙っています。

日下部:
名刺を渡すときにこの紙はなんですか、こんなにデザインがあるんですか、ソフトバンクさんもSDGsに取り組んでいるのですねと、会話のきっかけになるツールとして使ってもらえればと思います。

ーSDGs推進室とはどのような役割を持った組織ですか。

日下部:
SDGs推進室は、横連携ができるようにさまざまな部署の人が入って運営されています。各事業部門ごとに、事業責任者のもとで確実に実行を伴った形でアクションができるように、事務局は推進を管理する役割を担っています。

あくまで、SDGsに資する事業を実行するのは私たちではなく各事業部門の社員です。「SDGs推進室」は、グループ会社を含め、SDGsに資する活動が本当に行われていくことをしっかり見ていくのが役割ですので、グループ全体でアワードをつくって、各社で良い取り組みがあれば部門賞にノミネートしています。そうすることで、グループ全体で「こんな取り組みの方法があったのか」とノウハウも横展開していくことができます。

ー代表取締役社長を委員長とする「SDGs推進委員会」の設置から、活動報告書である「サステナビリティレポート」の発表までに約5ヶ月しかかかっていません。

佐々井:
さまざまな有識者の方々からも、ソフトバンクはスピード感と実行力だよね。とよく言われます。トップの「絶対に世の中に誇れる企業にしていくんだ」という強い思いと、それをスピード感を持って形にしていこうという体制が弊社の強みでもあります。

日下部:
日本企業の多くは100点にしてから開示したいという思いがあると感じます。ただ海外企業の事例をみると、今できている範囲からスピーディーに開示しています。投資家からすると開示していないとやっていないに等しいと捉えられてしまうので、現時点でどのように取り組んでいるのかを正しくコミュニケーションをとり、なぜ自分たちがそれをやっているのかという思いを含めて開示をしていくことが重要だと考えます。

その開示に対してステークホルダーの方々から適切なフィードバックをいただき、よりいい形にしていく。この繰り返し自体がサステナビリティの活動だと思います。現場レベルでは、もう少し体制を整えてから開示したいという声もありましたが、より良くしていくためにまずは開示することが必要な取り組みであることを、社内で意識をすり合わせながら進めてきました。

佐々井:
良いものも悪いものもきちんと包み隠さず示し、世の中に出していくことが、誠実で透明性のある企業であるということを各部署に理解してもらうことを心がけました。

ー2021年に「日経SDGs経営大賞」社会価値賞を受賞されました。特に社内でのD&I促進が評価されていらっしゃいましたが、力を入れていらっしゃる取り組みはございますか。

日下部:
「2035年度までに、管理職の女性比率20%」を目指しています。テクノロジー業界や理系人材には女性が少ないということが世界的な課題でもあり、弊社でも現在の女性管理職比率は約7%です。それを3倍にしていこうというチャレンジングな目標をかかげて、社長をトップとして達成に向けて取り組んでいます。また、数年前から女性に対するアンコンシャス・バイアスを取り除くための定期的なトレーニングや、女性の部下をどう育成していくか、という管理職に対する研修を必要なタイミングで行っています。

ーなぜ、いま御社でサステナビリティへの取り組みが必要だとお考えになったのでしょうか。

佐々井:
弊社は、2018年から東証一部上場企業となりましたが、社長含め、投資家と対話する機会が増えています。2019年頃から世の中のSDGsに関する動きも加速し、ESGの話題も増えてきたので、体系的に組織化して取り組もうという機運が生まれました。ただ、それまで取り組んでいなかったということではなく、「ESG」「SDGs」という考え方やフレームワークにのっとった形でやっていなかったということです。「情報革命で人々を幸せに」が弊社の経営理念ですが、テクノロジーで社会課題を解決することを生業にする風土はもともとありました。その点を「サステナビリティ」と結びつけ始めたのが2019年頃のことです。

日下部:
通信事業の持続的な成長を図りながら通信以外の領域の拡大を目指していくという「Beyond Carrier戦略」を掲げています。これは、これまでの通信会社としての基幹事業をベースとしながら、ヤフーやLINEといったコミュニケーションサービス、AIによるサービスなど様々なテクノロジーが集まっていく環境を整備してグループの強みを生かし、あらゆる産業のデジタルサービスを支えるプラットフォームの構築・整備を行っていくことを目指したものです。

経営層も社員も、「Beyond Carrier戦略」を掲げる中で、取り組み当初の社長(現会長)の宮内が「SDGsの取り組みは、最初、投資家からの要請もあってやろうと思ったが、改めてSDGsの17の目標を見ると、ソフトバンクが「Beyond Carrier戦略」で作りたい地球の未来の姿がつまっていて、これを僕達は成し遂げたくてこれまでやってきたんだ。SDGsのゴールはその答えだ」ということを言っていたのがすごく印象的でした。我々はSDGs目標達成に貢献することで会社としてもまだまだ成長できますし、さらに社会の役にも立てますから、SDGsを経営の羅針盤としてしっかり見ていこうといった話をしており、そういった意味でも、ソフトバンクのマテリアリティは「情報革命で人々を幸せに」という弊社の経営理念と「Beyond Carrier戦略」の架け橋になっています。

ー6つのマテリアリティを中心とした御社の今後のサステナビリティ推進の展望をお聞かせください。

佐々井:
6つのマテリアリティは不変のものではありません。将来の状況や社会のトレンドと照らし合わせながら、進めるべき目標が変わっていないかを意識し確認しながら進んでいくものです。技術のあり方もかなり速く変化しているので、30〜40年後の社会の姿を予測しつつ、我々がやらなければいけないこと、我々の立ち位置が間違っていないか検証しながら事業を進めていきたいです。

ーお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。

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