日本最大手のメガバンクである三菱UFJ銀行。三菱UFJ銀行は、お客様や社会と共に持続的な成長を実現するため、社外や社内からメンバーを募り「サステナブルビジネス部」を新設しました。
今回はサステナブルビジネス部の皆様に、三菱UFJ銀行のサステナブルビジネス部の魅力や組織風土、求める人材像などを伺ってきました。
サステナブルビジネス部とは?
ー本日はお時間いただきありがとうございます。まず「サステナブルビジネス部」の概要を教えて下さい。
太田様:
我々サステナブルビジネス部には、三つのグループから構成されており、各グループから岡﨑、福山の2名に参加してもらっています。
一つ目は岡﨑が所属する、企画開発グループです。今までの銀行では馴染みのなかった新しい分野のビジネスを企画するための調査研究などを行っており、2021年9月に設立した再生可能エネルギーファンドの運営を行う「Zエナジー」社の立ち上げプロジェクトなどを推進しています。
二つ目は業務推進グループです。最近出てきているグリーンローン・ソーシャルローン等のサステナブルファイナンスの推進をサポートしています。
三つ目は福山が所属する、環境社会リスク管理グループです。プロジェクトファイナンスの中で、案件の環境社会リスクのインパクト評価などを行い、事業開発を行う上記2グループの基盤を作っています。
部長の西山は、総合商社から転職し、金融機関での業務経験はありません。そこから分かる通り、我々の部署では銀行のビジネスを領域を超え、単にファイナンスをするだけでなく、ファイナンスをするための事業であったり、社会全体としての仕組みづくりをしており、従来の銀行のイメージからは考えられないような部署となっています。
ーサステナブルビジネス部立ち上げの背景を教えていただけますでしょうか。
西山様
世界経済の動向は、人口増・GDP成長を背景に中国・アメリカが牽引するモデルから、欧州の金融機関を中心に、環境社会問題で事業を再整理する時代へと明確にシフトしています。金融面においても、経済性や事業性に加え、各事業が持つ環境社会インパクトを示し、そうした取り組みを支援する投資家と密接に結びつきながら、サステナブルな社会を創り上げていく流れに向けて、国際金融資本のあり姿が大きく変化しています。
環境社会課題に配慮しながら経済活動を推進するには、金融機関の立ち位置も「お客さまの事業を査定し融資する」という従来の立ち位置から、「お客さまの事業を環境社会課題の観点で整理し、インパクトを可視化した上で、計画段階から一緒に事業を創り上げさせていただく」立ち位置へ変化が求められていると思います。
こうしたグローバルな社会情勢変化も踏まえ、MUFGとしても2021年5月にカーボンニュートラル宣言を公表しました。MUFGの気候変動問題を中心とする経営戦略、サステナビリティ戦略は、経営企画部傘下の「サステナビリティ企画室」が立案しています。
サステナビリティ企画室とは別に、ビジネスを通じて気候変動問題を中心とする環境・社会問題の解決をめざすため、サステナブルビジネス部が設立されました。もともとは、主にプロジェクトファイナンスを取り扱うソリューションプロダクツ部の1領域としてサステナブルビジネスを推進してきましたが、近年の大きな変化、お客さまとのエンゲージメントの強化をめざす目的で、2021年7月に「サステナブルビジネス部」へと部成りさせ、機能と人員の拡大を進めています。
ーサステナブルビジネス部のミッションや活動内容をお教えください。
サステナブルビジネスのミッションは、MUFGの横串の部署として、環境社会問題をビジネスの側面でお客さまと一緒に解決をめざしていくことです。
サステナブルビジネス部はMUFGのグローバル情報ハブとして、最前線の国際金融動向の情報が集まります。これら情報を束ね、MUFGのセンターオブインテリジェンス機能を創り上げ、お客さまへのエンゲージメント、政策提言を通じたガバメントエンゲージメント、MUFGの総合力発揮をめざしたグループ内エンゲージメントを進めています。お客さまや省官庁の皆さまが必要とする情報、サービス、ルールを、エンゲージメントを通じて一助を担っていく貢献をめざしています。
ーサステナブルビジネス部は御行の中でも、珍しい体制をとっている部署ではないかと推察いたしました。
岡﨑様
そうですね、横串の部署という観点で珍しいと思います。サステナビリティというキーワードで部門をまたいでいるという点は特徴的ですし、我々の存在意義であると感じています。
MUFGの強みの一つに、専門性に特化した部門の集合体であることが挙げられますが、環境社会問題ごとに各社の事業を整理するという潮流の中で、部門を横断した事業が行われることはMUFGだけでなく、他社にとっても珍しい例ではないかと思っています。
ーサステナブルビジネス部が今後注力したいと考えている領域がございましたら教えてください。
太田様:
サステナブル投資戦略に基づくインパクト投資の拡大を考えています。
サステナブルファイナンスに加えてインパクト投資の考え方をどのように銀行に取り込んでいくのかという案件を担当しており、社会問題を解決するために、どのような手法がありうるのかという部分をお客様と伴走しながら、事業が社会に与えるインパクトの可視化に取り組んでいます。
インパクトを可視化することで、今まで融資がつかなかった事業にお金が集まり、社会問題を解決する事業が増え、結果的に事業可能な社会の実現につながる、という一連のサイクルをどのように作り上げるのかという部分に取り組んでいます。
MUFGとしても、民間金融機関として初めてインパクト投資の運用原則に署名するなど、積極的に投資を実施しています。
西山様
環境社会課題の中でも、昨今は気候変動問題が重要になりますが、今後は生命に関わる案件、例えばバイオテクノロジー・ヘルスケアなども、大きなテーマに挙げられると思います。これらの事業に資金が集まる仕組みを作り、未来の世代のチカラになるために貢献していきたいですね。
ーサステナビリティというと、どうしても再エネ投資などにまず注目されがちですが、生命に関わる領域まで広げるというお話は非常に興味深いですね。
西山様
まず実際に事業に関与してみる、何をどのようなテーマで取り組むと、どのような課題があるのか、それをしっかりと自分たちでも一緒に汗をかき、見極めながら、資金の集め方を工夫してみる。実際の事業や投資を通じて得ることができた着想・発想力を持って、自分の国の課題に当てはめ、更に大きな仕掛りに発展させることができたら、更に大きな金額の資金を集めることができるはずです。こうした循環サイクルを作り上げていくことで、経済成長と環境社会問題の解決を両輪で達成できると考えています。
サステナブルビジネス部の魅力
ーMUFGのサステナブルビジネスに関わる魅力は、どんな点であるとお考えでしょうか。
西山様:
やはり、Integrityの高い同僚、そして圧倒的なスケールのオポチュニティだと思います。
私は入行3ヵ月目ですが、さすが日本一のメガバンクと感じる驚きの日々です。どの部署に行っても、こんなスケールのビジネスオポチュニティがあるのかと、連日驚きを隠せません。ただ組織が大きいため、縦割りになってしまうこともあると感じています。このため、各部署の事業機会を、社会課題ごとに整理し、取り組みを考えることで、融資の観点だけでなく、エネルギートランスフォーメーションを仕掛けていくきっかけを事業パートナーの皆さまと一緒に作り上げていくことができると考えてます。
太田様:
自由に事業開発ができる点も魅力の1つだと思っています。
業務の進め方として、上司が部下に対して業務を振るようなスタイルは取っておりません。定例会議等で進捗管理は行いますが、基本的には本人の裁量に任せています。
ただ、サステナブルビジネス部としての目的はブレずに、それぞれがそれぞれの専門性を発揮するプロフェッショナル集団と思っていただけると、イメージしやすいかなと思います。
ーサステナブルビジネス部に入って良かったなと感じるのはどのような時ですか。
福山様
弊行のルールですと、産休・育休を取得すると職場に戻る際に違う部署に異動するようなケースが多いのですが、私の場合は産休に入る前に担当していた案件をまたやりたいという想いが強く、上司にその思いを伝えたところ元々在籍していた部署に戻ることができ、非常に嬉しかった思い出があります。
休職した人の穴は、他の人で埋めてしまえばよいという考え方もあると思いますが、我々とお付き合いのある組織、特に海外組織などはほとんど担当者が変わらないことから、お客さまに名前を覚えてもらう、リレーションを築くことが重要だと考えています。そのため、我々の部署では本人が希望するなら、担当業務に長く携わることができます。
サステナビリティ領域は長いプロジェクトが多く、長期的な視点で見ていく必要がある中で、腰を落ち着けて業務ができる点は非常に魅力ですね。
三菱UFJ銀行サステナブルビジネス部が求める人材
ー部門を横断する組織ということで、、かなりコミュニケーション能力が求められるのではないかと思います。
岡﨑様:
おっしゃる通りコミュニケーション能力は求められます。自分たちの業務を説明し、今後何に取り組んでいきたいのかという点を、他部署の方に説明する機会もありますので、マスト要件ですね。
ー本日ご参加頂いている皆様も女性の割合が非常に多いですが、サステナビリティを推進する部署ということで、サステナブルビジネス部自体もダイバーシティに富んだ組織なのでしょうか。
太田様:
確かに女性の割合は多いですね。ダイバーシティの観点から男性を採用したほうが良いのではと話題に上がるくらいです(笑)。
その他バッググラウンドについても非常にバラエティに富んでおりまして、岡﨑のように営業から移ってきた方もいれば、西山のように他業界から転職してきた方もいます。
そのため、あえて性別や国籍、バックグラウンド等を意識するような環境ではありません。銀行ではありますが、外から入行された方が馴染みやすいという点も、我々の魅力の一つです。
ーお話をうかがっていると、皆さんひとりひとりが専門性を持った経営者のような印象を受けました。
西山様:
確かにそうかもしれません。もしかすると将来また取材を受けるときには、ここにいる何人かは経営者になっているかもしれません(笑)
そのようなポテンシャルを持った人材と、たくさんの事業オポチュニティが集う部署であることに間違いありません。サステナブル社会変革を担う起業家集団のような部署とイメージしていただけると良いかもしれません。
ー事業会社やコンサル出身の候補者さまに、御行の求人を紹介すると「金融機関出身でないと難しいのではないか?」というリアクションをされる方が多くいらっしゃいます。
太田様:
キャリア採用でサステナブルビジネス部に入社された方で、銀行出身者という方は現状1名だけです。我々としても、採用要件に金融機関での業務経験は求めていないということはお伝えさせて下さい。それよりも、明確な答えのない領域に仮説を立て、社内の関連部門を先導し動かすことができるリーダーシップと、まだ未確定な領域に挑戦できるチャレンジ精神や立ち上げにやりがいを感じる方がフィットすると思います。
ー逆に御社にフィットしないタイプの方の特徴も教えてください
安定した決められた業務の中で、自分の専門性を発揮していこうという観点で、金融やサステナビリティのバックグラウンドのみを活かしていきたいという志向の方は、ご本人として、やや馴染まないと感じられるかもしれません。
自分が持っている知見を使って、事業を行っていきたいという方を求めており、逆に言うと知識は後からでもキャッチアップできると思っております。
ー目下、TCFD開示など、目の前に迫っていることにとらわれがち、事業の中身を作っていく部分が重要だと再認識いたしました。
太田様:
サステナビリティ領域への転職を考えていらっしゃる方にお伝えしたいことは、経営企画やコンサルティングファームでサステナブル推進の支援を行うのか、我々サステナブルビジネス部ようにサステナブルな事業を作る側で働きたいのかという点をすみわけした方が、合う合わないがはっきりすると思っています。
三菱UFJ銀行サステナブルビジネス部を志望される方へ
ー最後に御社を志望される方へメッセージをいただけますでしょうか?
太田様:
サステナビリティという領域の中で、いろいろな立場があると思いますが、銀行の本業・法人のお客さまの本業をサステナブルなものにしていきたいという想いがある方には、非常に良い環境が整っております。また、様々なエキスパートがいる中で、ご自身の専門分野を周りに共有し、周りの専門家からも、サステナビリティに関する専門的な知見を得ることができる、学びが多い部署だと思っております。
西山様:
私たちの部署はMUFGが掲げる「世界が進むチカラとなる。」というパーパスを体現したチームです。世の中の動きを知り、お客さまの事業に寄り添い、エンゲージメントを通じて、ルール、事業、サービスを創り上げていく。
メガバンクというIntegrityに満ち溢れたリソースと、豊富なオポチュニティと向き合い、「環境社会問題を解決する仕組みを作りたい」「多くの人とOpen &Inclusiveなパートナシップを組成して共創したい」「自分で事業を行ってみたい」という熱い想いを持った人にぜひ入社いただきたいと思っています。
我々とともに、社会を変えていきたいという方からのご応募をお待ちしております。
-本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
三菱UFJ銀行
サステナブルビジネス部に
ご興味がある方へ
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ご興味がある方は下記ボタンよりご応募ください。
■求人:
メガバンクでのサステナブルビジネスの推進
■業務内容:
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■年収イメージ:
経験・能力を考慮の上、当社規定により決定します(イメージ ~1,500万円)
■必要スキル:
【必須】
サステナビリティ、ESGの関連分野で一定の経験がある方。
【尚可】
・海外勤務経験がある方。
・業務遂行に必要な英語力を有する方(TOEIC730点以上)。
※銀行の業務知識・ファイナンスの知識は不問。
【歓迎スキル】
・金融機関でのESG/SDGsに関わる業務経験がある方。
・気候変動に関する国際的な規制・動向に関する知見がある方。
・コンサルでのESG/SDGsに関わる業務経験 がある方。
・行政でのESG/ SDGsに関わる業務経験がある方。
・ESG評価機関におけるESG評価分析および気候変動関連の評価分析に関する知見がある方。
■求人:
メガバンクバンクでの環境社会リスク管理(サステナビリティ・ESG)
■業務内容:
◆環境社会リスク管理(大規模ファイナンスの個別案件評価)
・赤道原則/環境社会ポリシーフレームワークに基づくリスク評価
・インパクト投資の運用原則/ポセイドン原則の運用・開示対応
・国際金融団体/サステナブルファイナンス対応
・評判リスク対応
・グリーンボンド起債サポート
■年収イメージ:
経験・能力を考慮の上、当社規定により決定します(イメージ ~1,500万円)
■必要スキル:
【以下のいずれかの経験がある方】
・四年制大学卒以上
・ESGコンサルティング/アドバイザーの経験
・格付け会社又は認証機関でESG業務の経験
・運用会社におけるESGエンゲージメントの経験
・上場企業におけるESG担当と営業担当の両方を経験
・勤務経験のみならず学業等を含めた上記に準ずる経験
・海外勤務経験や高い英語力を有する方であれば尚可(TOEIC860点以上)
■西山 大輔 様
サステナブルビジネス部長
■太田 悟史 様
次長
■福山 周 様
調査役
■岡﨑 真衣子 様
調査役