バイオ燃料で試験航行 燃料輸送船「YODOHIME」で脱炭素海運の実証を実施

電源開発株式会社(Jパワー)と飯野海運株式会社は、風力推進補助装置を搭載した燃料輸送船「YODOHIME」において、バイオ燃料を使用した試験航行を実施した。国内電力会社としては初めての取り組みとなる。

今回の試験では、中国・舟山港でバイオ燃料を供給し、豪州から日本へ向かう航路で航行を実施した。バイオ燃料の実用性や運航への影響を確認することを目的としており、航海は2月中旬に無事完了した。

「YODOHIME」には風力推進補助装置であるローターセイルが搭載されている。これはセンサーによって風向や風速などの気象情報を検知し、円筒状の帆の回転方向や回転数を自動制御することで推進力を生み出す技術だ。いわゆるマグヌス効果を利用する仕組みで、航行最適化システムと組み合わせることで燃料消費量とCO₂排出量を約6~10%削減できるとされている。

試験で使用された燃料は、バイオ燃料を24%の割合で低硫黄燃料油(VLSFO)に混合した「B24燃料」。既存のディーゼルエンジンを大きく改修することなく利用できるため、海運業界における脱炭素化の有力な選択肢として期待されている。

バイオ燃料は廃食油など生物由来の資源を原料とする燃料で、製造から消費までのライフサイクル全体で約80~90%のCO₂排出削減が可能とされる。植物が成長過程で吸収したCO₂が燃焼時の排出と相殺されることから、カーボンニュートラルなエネルギーとして注目されている。

電源開発株式会社は長期ビジョン「J-POWER“BLUE MISSION 2050”」のもとカーボンニュートラルの実現を目指しており、飯野海運株式会社も中期経営計画「The Adventure to Our Sustainable Future」に基づき2050年の脱炭素化に向けた取り組みを進めている。

両社は今回の試験結果を踏まえ、クリーン燃料の活用や新技術の導入を通じて、環境負荷の低い海上輸送の実現を目指していくとしている。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/79811/