30年以上育んだ森を次世代の生物多様性拠点へ
山梨県北杜市の「八ヶ岳倶楽部」が、環境省の「自然共生サイト」に認定された。創業者・柳生博氏と家族、スタッフが30年以上にわたり手入れを続けてきた森が、生物多様性の保全に資する民間の取り組みとして評価された。
八ヶ岳倶楽部の森は、地域の自然環境を尊重しつつ、里山として適度に人の手を加えることで再生された「人が育てた森」。柳生氏が掲げてきた「人と自然の共生」という理念のもと、多様な植物や野生動物が生息する生態系が形成され、訪れる人々に癒しの場を提供してきた。
今回の認定は、令和7年度第2回の認定において、山梨県内で唯一となる。認定証授与式は2025年12月23日に行われた。「自然共生サイト」は、2030年までに陸と海の30%以上を保全する国際目標「30by30」の達成に向け、民間主体の生物多様性保全を可視化・後押しする制度だ。
八ヶ岳倶楽部では、認定を一つの通過点と位置づけ、今後は専門家の助言を受けながら植生や生物相の調査を定期的に実施し、科学的データに基づく森の管理を進める。また、支援者が保全活動に参加できる「八ヶ岳倶楽部の森 サポーターズ」を通じ、コミュニティと共に森を守る体制を強化する方針だ。
このほか、森林セラピストによるリトリートなどの体験プログラムも展開し、自然と触れ合う機会を提供している。八ヶ岳倶楽部は今後も、地域社会と連携しながら生物多様性の保全に取り組み、次世代へと受け継ぐ持続可能な森づくりを目指す。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/76475/