企業連携型の実習で“採用につながる成長”を支援
キャムコムグループの特例子会社である株式会社綜合キャリアトラストは、長野県岡谷市において、就労移行支援事業所「SAKURA岡谷センター」とセイコーエプソン株式会社の特例子会社エプソンミズベ株式会社と連携し、新たな障がい者就業支援モデル「キャリアスタートアップ(通称:キャリスタ)」を開始した。
キャリスタは、企業と就労移行支援事業所が共同で設計・運営する実践型の就労支援モデルで、企業が求める人材要件に対し、障がいのある就労希望者の能力を段階的に引き上げる「チャレンジ型実習」を特徴としている。
4週間の実践プログラムで成長と適性を可視化
プログラムは、週1日の職場実習と、週4日の就労移行支援事業所での振り返り面談やフォローアップ訓練を組み合わせた4週間構成。実習中に明らかになった課題や強みをもとに、支援スタッフが改善策を提示し、実行を支援することで、実習生の実践的な成長を促す。
これにより、就労希望者は職場への不安を軽減しながら自信を高めることができ、企業側は実際の業務を通じて候補者の適性や成長力を見極めることが可能となる。
企業にとっても“ミスマッチを減らす”採用手法に
キャリスタは、従来の書類選考や短期間の面接では把握しにくい人材の特性を、実習を通じて可視化できる点が特徴だ。通常の採用プロセスでは出会えなかった人材との接点が生まれ、企業が求める人物像により適した候補者の発掘につながると期待されている。
また、実習を通じて採用後の定着イメージを具体化できるため、採用活動の効率化やミスマッチの低減にも寄与する。
プログラムの流れ
キャリスタは、以下のステップで実施される。
- 実習生の募集・選考
- プロフィールシート提出、実習内容・スケジュール確認
- 事前見学
- チャレンジ実習(4週間)
- 最終面談・振り返り
実習生と企業が相互理解を深めながら、就労に向けた具体的な判断を行う仕組みとなっている。
今後は他地域・他企業への展開も視野
綜合キャリアトラストは、今回の実証結果を踏まえ、キャリスタのモデルを他企業や他地域へ展開する方針だ。就労移行支援事業所と企業の「採用試験の架け橋」となる仕組みを強化し、障がいのある人材が持つ力をより丁寧かつ効果的に引き出すことを目指す。
キャリスタは、障がい者雇用における「育成」と「採用」を一体で捉える新たな試みとして、今後の広がりが注目される。
引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/75857/