住友館、「いのちの森」誕生へ — 万博の植林体験から未来を育む森づくり

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に出展する住友館は、来場者が参加する「植林体験」プログラムで植えた苗木を育む森の名称を『いのちの森』に決定した。森は愛媛県新居浜市に位置し、住友グループの理念を象徴する特別な場所として、未来へ続く生命の循環を体現する。

『いのちの森』は、住友館の建設に伴って伐採された木々の跡地を含む住友グループ所有の森の一部。参加者が植えた苗木は、数十年、数百年という長い時間をかけて成長し、次世代へと受け継がれていく。住友グループは、「1本1本の木を無駄にせず、いのちを大切に育てたい」という想いを込めて名称を定めた。

植林体験は、森と人とのつながりや森林資源の循環を学びながら、実際に苗木や土に触れ、未来の森づくりに参加できるプログラムである。毎日実施され、多くの来場者が体験に参加。400年にわたり自然と共生してきた住友の歴史に新たな1ページを加える試みとなっている。

現在、住友館で植えられた苗木は四国の「本山樹木育苗センター」で大切に育成されており、2026年に『いのちの森』へ移植される予定だ。苗木の成長の様子は、万博閉幕後も特設WEBサイトで公開され、参加者は自らが植えた木の成長を見守ることができる。

また、万博の終了(2025年10月13日)に合わせて、展示物やデータの保存を含むレガシー化の取り組みも発表される予定。住友館は、博覧会終了後も森づくりを通じて人と自然の共生を発信していく考えだ。

『いのちの森』は、単なる記念植樹ではなく、参加者一人ひとりの想いと手で未来を育てていく“生きたレガシー”として位置付けられている。住友グループは、この森を通じて、環境保全と持続可能な未来づくりへの共感の輪を広げていくとしている。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/71474/