NSK、軸受の再生・再利用促進に向けた検証を開始~非破壊診断技術で寿命把握、2026年に新事業モデル提供

日本精工株式会社(NSK)は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、軸受の再生・再利用を促進する新たな取り組みを開始しました。今回、グローバルな製鉄会社の現場で独自開発の「非破壊疲労度診断」技術を用いた検証を行い、軸受の疲労進行度を簡単かつ正確に把握することを目指します。

この技術により、再利用を前提とした新設計の「再利用可能軸受」の開発が進められています。軸受の製造から状態監視・診断、再生・再利用までの情報を記録した「軸受トレーサビリティデータ」を活用することで、メンテナンスの最適化と精度向上も図られます。

NSKは、2026年から順次、プロダクトライフサイクルを通じた新たな事業モデルを提供する予定です。鉄鋼業界に加え、製紙・鉱山・鉄道・風力発電など多様な業界と連携し、環境負荷低減とメンテナンスコスト削減を両立する価値の共創を進めていきます。

背景と課題
軸受の再利用は従来、定期メンテナンス時に取り外して分解洗浄し、外観調査や補修を行った上で再利用されてきました。しかし、現場では余寿命の把握方法が十分に普及しておらず、作業者の技量に依存することから精度のばらつきやノウハウ伝承の課題がありました。

NSKの新たなアプローチ

  • 非破壊疲労度診断技術で現場における寿命評価を簡便かつ正確に実施
  • 再利用可能軸受の設計思想を導入しラインナップを拡充
  • 軸受トレーサビリティデータを活用したメンテナンス最適化

NSKについて
1916年に日本で初めて軸受を生産したNSKは、100年以上にわたり革新的な製品と技術で世界の産業発展を支えてきました。「MOTION & CONTROL™」の理念のもと、円滑で安全な社会の実現を目指しています。

終わりに
NSKの取り組みは、環境負荷低減と顧客ニーズへの対応を両立させる新しい事業モデルの構築を目指すものです。今後、技術革新やサービス拡充を通じて、持続可能な社会の実現に向けた貢献が期待されます。

引用元記事:https://voix.jp/sdgs/sdgs/70449/