日立製作所、初の名称付きサステナ戦略「PLEDGES」で全社一丸の価値創出へ

日立製作所はこのほど、初の名称付きサステナビリティ戦略「PLEDGES(プレッジズ)」を発表した。脱炭素や多様性、サステナブル調達など7つの重点領域から構成される新戦略で、同社の中期経営計画「Inspire 2027」と連動し、グローバル全体でのサステナビリティ経営を加速する狙いだ。

「PLEDGES」は、各領域の英語名の頭文字を取ったもので、**Planet(地球環境)/Leadership(リーダー育成)/Empowerment(人財強化)/Diverse perspectives(多様な視点)/Governance(統治体制)/Engagement(関与)/Sustainability for all(価値提供)**の7項目から構成される。

中でも「Planet」は、脱炭素・サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブを主軸とし、グリーントランスフォーメーション(GX)を世界でリードすることを目標に掲げる。2027年度までに、事業所の温室効果ガス(GHG)排出量を2019年度比で75%削減するなど、具体的なKPIも設定した。

同戦略の策定にあたっては、欧州の情報開示規制など国際的な動向を踏まえ、事業ごとのリスク・機会・社会的インパクトを分析。投資家やNGOとの対話を重ね、経営幹部の意思決定を経て実行に移された。

名称を冠した戦略の導入は日立として初めてであり、全社一丸の取り組みを促す狙いがある。同社サステナビリティ部門の渡邉真由美・部長代理は「社員の6割が外国籍である日立にとって、想いを共有する共通言語として戦略に名称を付けることが重要だった」と語る。

同様のアプローチは、英ユニリーバの「サステナブル・リビング・プラン」や独シーメンスの「DEGREE」などにも見られ、グローバル企業がサステナ戦略を社内外に浸透させるための定石といえる。

「PLEDGES」には、サステナビリティを経営の中核に据えるという日立の強い意志が込められており、全社的な浸透と社外とのエンゲージメント強化を図る。今後は、社会イノベーション事業の加速や、Lumadaなどのデジタルソリューションと連動しながら、価値創出に結びつけていく方針だ。

引用元記事:https://www.alterna.co.jp/157874/