日本旅行業協会(JATA)は、第3回「JATA SDGsアワード」の大賞として、近畿日本ツーリストの取り組み「『温泉を楽しみたい』をあきらめない!オストメイトのための温泉日帰りツアー」を選出した。この取り組みは社会経済部門の優秀賞から選ばれたもので、障害者差別解消法の改正施行を契機に、誰もが旅を楽しめる社会の実現を目指したユニバーサルツーリズムの推進が評価された。
今回のアワードには、前年比で応募数・参加社数ともに増加が見られ、57件(25社)の応募が寄せられた。これは2024年の50件(18社)を上回る規模となり、旅行業界におけるSDGsへの関心の高まりがうかがえる。
優秀賞には以下の取り組みが選ばれている:
- 経営部門:JTB「『クセモノを地域のタカラモノに』──瀬戸内の新たな観光交流拠点『クセモノズ(SICSサステナブルラウンジ)』の開業と、気候変動による課題の地域資源化」
- 文化部門:トラベルハーモニー「撮影旅行から始めるサステナブルアクション」
- 環境部門:クラブツーリズム「中山間地の村をリジェネラティブ・ツーリズムでファンづくり!『旅するいきもの大学校!第1期~長野県生坂村』」
このほか、特別賞や奨励賞も複数選出されている。
JATAは、旅行業界が持続可能な観光を実現していくために、SDGsを軸とした創意ある取り組みを表彰し、業界全体への普及と促進を図っている。今回のアワードでも、観光を通じた社会課題の解決や地域活性化に貢献する多様な事例が出揃い、旅行業が果たすべき新たな役割が浮き彫りとなった。